陰符経(読み)いんぷきょう(その他表記)Yīn fú jīng

改訂新版 世界大百科事典 「陰符経」の意味・わかりやすい解説

陰符経 (いんぷきょう)
Yīn fú jīng

中国,道教経典の一つ。その源流は,戦国末,あるいは北魏の寇謙之にさかのぼるかと言われるが,現存のテキストは,唐の玄宗時代の道士,李筌の手を経るとされる。李筌によれば,陰符とは闇合の意で,造化の機密人事の機密と暗合していると説くのがこの書の主旨と言う。唐・宋以後,その簡潔さもあって広く行われ,朱熹(しゆき)(朱子)も《陰符経考異》を著し,道を深く理解した人でなければ作れぬ書としている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 砂山

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「陰符経」の意味・わかりやすい解説

陰符経
いんぷきょう
Yin-fu-jing

道教の経典。1巻。黄帝の著とも,唐の道士李筌 (せん) の作ともいわれる。世の事変は天の機に暗合すると説くので,この書名がつけられたという。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android