日本大百科全書(ニッポニカ) 「陳果夫」の意味・わかりやすい解説
陳果夫
ちんかふ / チェンクオフー
(1892―1951)
中国の政治家、財閥。浙江(せっこう)省の生まれ。南京(ナンキン)陸軍中学堂を経て日本留学、帰国後は上海(シャンハイ)を中心に商業活動に従事。陳其美(ちんきび)の甥(おい)であることで蒋介石(しょうかいせき)の信任を得た。のち弟の陳立夫(ちんりっぷ)とともに英字の頭文字をとってCC団とよばれるテロ組織をつくり、蒋介石・宋子文(そうしぶん)らと独裁政権の基盤をなす「四大家族(しだいかぞく)」を形成した。1933年江蘇(こうそ)省主席、1938年中央党学校副校長、1939年国民政府国防最高委員会常務委員などを歴任、戦後の1945年には中国農民銀行理事長。台湾に逃れ客死した。
[加藤祐三]