CC団(読み)シーシーダン

デジタル大辞泉 「CC団」の意味・読み・例文・類語

シーシー‐だん【CC団】

中国で、1930年ごろ陳果夫陳立夫兄弟が結成した国民党最右翼政治結社蒋介石独裁を助けて反対勢力を弾圧した。CCは陳兄弟の姓Chenの頭文字を連ねたもの。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「CC団」の意味・読み・例文・類語

シーシー‐だん【CC団】

  1. ( CCは、陳兄弟の姓 Ch'en の頭文字をつらねた略称 ) 中国で、一九三〇年頃結成された政治団体。陳果夫・陳立夫兄弟が指導者となり、蒋介石の独裁政治を助けて反対派を弾圧した。国民党の最右翼。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「CC団」の意味・わかりやすい解説

CC団
しーしーだん

1930~40年代に中国国民党の極右を代表した政治結社藍衣社(らんいしゃ)とともに蒋介石(しょうかいせき/チヤンチエシー)を中心とする四大家族(しだいかぞく)の政治支配を支えた。その名前は中心人物の陳果夫(ちんかふ/チェンクオフー)・陳立夫(ちんりっぷ/チェンリーフー)兄弟の陳Ch'enからとったといわれる。対立する組織に対しては公然とテロを行うとともに、国民党の党組織、新聞・出版事業、農業のための土地投資、農具種子などを独占的に支配。日中戦争後の内戦人民解放軍の総反攻により崩壊した。

[加藤祐三]

『許滌新著、山下龍三訳『官僚資本論』(1953・青木書店)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「CC団」の意味・わかりやすい解説

CC団 (シーシーだん)

中国,民国時代の政治結社。陳果夫・陳立夫兄弟を頭とし,CC団の名称も陳兄弟の頭文字(陳Chén)からきたとも,また彼らが上海に作ったCentral Clubの頭文字からきたともいわれる。兄弟は陳其美の甥で,その関係から蔣介石に近づき,国民党の組織部長などの地位を利用して,1927年蔣介石を首領とし,それに反対する党派の排撃と蔣の独裁を目的とするCC団を組織した。CC団は国民党内における蔣介石の支配権確立の一支柱となり,逆に蔣介石と陳兄弟の勢力拡大に応じて発展し,そのもとに多くの人物を含むにいたった。その関係者は江蘇省の行政関係の要職を占める一方,文化,言論,出版関係において圧倒的な支配力を持っていた。のちには,中国農民銀行を中心に,農村関係会社多数を支配し,CC系財閥として四大家族財閥の一つとなった。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「CC団」の意味・わかりやすい解説

CC団
シーシーだん

中国で 1927年に陳果夫,陳立夫兄弟によって組織された国民党最右翼を代表する政治結社。藍衣社とともに,蒋介石独裁を維持する役割をになった。 CCの名称は,指導者陳 Chen兄弟の頭文字を並べたとも,また彼らが上海につくった Central Clubの頭文字,または Counter Communistの頭文字からとったともいわれる。国民党内では主として組織,宣伝,民衆訓練の諸部を,国民政府内では内政,教育部などを,地方では江蘇,浙江,南京,上海などの主要省市党部を支配し,また新聞,出版,学校などにも勢力をもっていた。対立する勢力に対しては公然とテロを行う暴力組織でもあった。抗日戦中および戦後にかけて,国家財政を利用して私益をあげた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

山川 世界史小辞典 改訂新版 「CC団」の解説

CC団(シーシーだん)

中国国民党の非軍人党員の秘密結社。名称の由来には諸説があってはっきりしない。軍人党員の秘密結社藍衣社(らんいしゃ)と権力争いをしながらも,両者は蒋介石(しょうかいせき)の反共独裁政治の維持強化の支柱となった。教育・文化界などに,また長江下流域や農村地主・郷紳(きょうしん)層に勢力を持ち,その中心人物である陳立夫(ちんりっぷ)陳果夫(ちんかふ)兄弟は中国四大官僚財閥の一つにまでのし上がった。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

百科事典マイペディア 「CC団」の意味・わかりやすい解説

CC団【シーシーだん】

中国国民党内の派閥の一つで,極右的結社。1927年に上海で組織され,陳立夫,陳果夫らが指導した。藍衣社とともに蒋介石の反共独裁政権をささえる勢力として,党の組織・教育・言論機関を支配し,農村にも勢力を伸ばした。名称の由来は不明確。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典(旧版)内のCC団の言及

【四大家族】より

…南京国民政府は,成立当初,浙江財閥の支持と援助の下にあったが,世界不況と国内戦争遂行過程において,中央銀行の発展,経済建設,幣制改革,公債政策によって,逆に浙江財閥に対する主導権を確立した。この過程で,軍事委員会委員長であった蔣介石は経済の軍事化・統制化によって支配権を拡大し,宋子文,孔祥熙は財政部長・中央銀行総裁であることを利用して多数の銀行,工場,会社を支配し,陳兄弟はCC団を利用して多数の銀行,出版関係機関を支配した。彼らの独占・支配は日中戦争とその後の内戦時期に,その腐敗性をも深化させつついっそう拡大・発展したが,1949年の革命によってその財産を没収された。…

※「CC団」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android