隔蓂記(読み)かくめいき

精選版 日本国語大辞典 「隔蓂記」の意味・読み・例文・類語

かくめいき【隔蓂記】

江戸前期の日記。三〇冊。鳳林承章著。寛永一二年(一六三五)から寛文八年(一六六八)までが伝存著者は、京都鹿苑寺(金閣寺)の住持で、文学芸能・美術関係の記事が多い。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「隔蓂記」の意味・わかりやすい解説

隔蓂記
かくめいき

京都鹿苑寺(ろくおんじ)(金閣寺(きんかくじ))住持鳳林承章(ほうりんしょうしょう)の日記。30冊。自筆本は同寺に所蔵され、その期間は1635年(寛永12)8月から68年(寛文8)6月までの34年間にわたる。承章は勧修寺晴豊(かじゅうじはるとよ)の子で、出家して相国寺(しょうこくじ)住持の西笑承兌(さいしょうしょうたい/しょうだ)の弟子として修行し、相国寺住持となる。記事の内容は鹿苑寺、相国寺に関することが多い。また諸家との交流のようすもみられる。交わった人々として、後水尾(ごみずのお)天皇をはじめ、五摂家、公卿(くぎょう)などの宮廷の人々、林羅山(はやしらざん)、金森宗和、千宗旦(せんそうたん)、狩野守信(かのうもりのぶ)(探幽(たんゆう))、野々村仁清(にんせい)らの学者、茶人、絵師陶工などがあげられる。この日記は江戸前期の貴重な史料で、鹿苑寺発行で全6巻として刊行された。

[芳井敬郎]

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