精選版 日本国語大辞典 「芸能」の意味・読み・例文・類語
げい‐のう【芸能】
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演劇、舞踊、音楽、歌謡、民俗芸能、映画、大衆演芸などを総称して便宜的に用いられることが多いが、その概念はかなりあいまいで、時代によっても異なり、定義づけることはむずかしい。現代では、人々の娯楽的要求にこたえて演ずる「芸」をさす。
芸能は、もと中国のことばで、一般に修得した才芸、伎芸(ぎげい)、技能の意であった。『史記』(亀策(きさく)列伝)には「博(ひろ)く芸能の路(みち)を開き、悉(ことごと)く百端(百家)の学を延(あまね)くす」とある。中国では芸は実践すべきものとし、「六芸(りくげい)」と称して、礼(礼儀作法)、楽(歌舞音楽)、射(弓術)、御(ぎょ)(馬術)、書(学問)、数(算術)を芸能とした。わが国でも中古から中世にかけて、漢詩、和歌、俳諧(はいかい)、雅楽、猿楽(さるがく)、神楽(かぐら)、催馬楽(さいばら)、朗詠、今様(いまよう)、宴曲(えんきょく)、笛、琴、鼓、蹴鞠(けまり)、流鏑馬(やぶさめ)、犬追物(いぬおうもの)、双六(すごろく)、囲碁などを芸能の分野に入れていた。世阿弥(ぜあみ)は『風姿花伝(ふうしかでん)』のなかで、「そもそも芸能とは、諸人の心を和らげて上下の感をなさん事、寿福増長の基、遐齢延年(かれいえんねん)の法なるべし」と芸能の奥義と効能を述べている。しかし、戦国時代には芸能は武士に迎えられず、近世にも武士の間ではあまり喜ばれなかった。
近世になると芸能は歌舞音楽に関するものが中心となり、職業的芸能人が続出するようになった。そのため芸能という用語の範囲が狭められていった。明治に入ってからは芸能教育が消極的になり、学校教育に西洋の唱歌や楽器類は採用されても、日本の伝統芸能が用いられることはほとんどなくなってしまった。第二次世界大戦後は、芸能が著しく解放され、学校でも芸能科という課程が設置されて、美術、書道、音楽、工作などがこのなかに入れられた。また、マスコミの世界では芸能が重要視され、いわゆる芸能人がもてはやされるようになった。一方、学問研究の分野でも、芸能に関する文献を渉猟したり、整理考証する作業が進められ、芸能や芸能史の研究に従う学徒が増加。そして芸能研究の学会も組織され、芸能文化にかかわる学術的な専門研究書や雑誌が盛んに出されるようになっている。
[関山和夫]
字通「芸」の項目を見る。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
…公衆の面前で芸人によって演じられる諸芸の総称で,芸能とほとんど同じ意味で使用されてきた。演芸という言葉が一般化した明治から大正にかけては,歌舞伎を中心とする演劇および下座音楽を使った寄席(よせ)でおこなわれた演芸に対して用いられていたが,今日では演劇以外の雑芸を指す言葉として使われるのが普通で,〈演劇〉と区別されている。…
…広場。狩庭(かりば∥かりにわ),網庭,稲庭,草庭,塩庭など,狩猟,漁労,稲作,草刈り,製塩などを行う場所,軍庭(いくさば),市庭(いちば),売庭(うりば),乞庭(こつば),舞庭(まいば),さらに〈祭りの庭〉や〈講の庭〉のように戦闘,交易,芸能,仏神事の行われる場所は,みな庭であった。自然のある部分を庭にする場合,後年のことであるが,関料(せきりよう)の一種〈庭銭(にわせん)〉が初穂であったことからみて,人はあるいは初穂をささげ,また狩りや市の祭文(さいもん)にみられるように,神事を行ったのである。…
…さまざまな〈芸能〉に携わる者。〈道々の輩〉〈道々の細工〉などと同様,〈道々〉は専門の方法,方面,技術などを意味する〈道〉の畳語で,〈諸道〉ともいわれ,〈諸職〉〈職人〉〈諸芸〉〈芸能〉などの語と密接な関係にある。…
※「芸能」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報
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