隠坊(読み)かくれんぼう

精選版 日本国語大辞典 「隠坊」の意味・読み・例文・類語

かくれん‐ぼう ‥バウ【隠坊】

〘名〙
① 子供の遊びの一つ。数人が物陰に隠れ、鬼になった一人がそれを捜し出す。かくれあそび。かくれおに。かくれかじか。かくれかんじょう。かくれご。かくれごく。かくれごと。かくれんご。かくれんぼ
※俳諧・犬子集(1633)五「雲に月かくれんほうか桂のは」
浄瑠璃信田小太郎(1702頃)三「サアかくれんぼうに交(まじ)らぬものはあふちやこぶしかつらのは」
② 人に会わないように隠れること。また、その人。
人情本・縁結娯色の糸(1839‐48)四「柳さん、何処へ隠(カク)れん坊(バウ)をなさるのだ。些(ちっと)の間も美人の側を、離れては居られない訳かね」
江戸から東京へ(1925)〈矢田挿雲〉一二「隠(カク)れん坊(ボウ)に宿を貸すといふ法は無之」

かくれん‐ぼ【隠坊】

※俳諧・俳諧三部抄(1677)中「朝霞山より山にかくれんほ 納戸より猶みよしのの奥〈吉久〉」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の隠坊の言及

【火葬】より

…真宗地帯に火葬が多いが,同じ真宗でも土葬のところも多く,真宗の教義に火葬を強制するものはない。火葬の管理人には三昧聖や隠坊(おんぼう)などとよばれる専業のものが当たるところと,葬式組や講員,隣人などがなるところとがある。火葬の普及にともなって,諸国の仏教霊場,高野山や善光寺などへ分骨,納骨が行われるようになった。…

【三昧聖】より

…三昧(墓所)の庵室に居住し,火葬や埋葬,墓所の管理などにあたった俗聖。一般に墓守,御坊(おんぼう)(隠坊)などと称される。墓所が三昧とよばれるようになってからの呼称であろうが,文献上の初見は15世紀はじめに書かれた聖聡の《浄土三国仏祖伝集》で,〈薩生法眼,三昧義を立つ。…

※「隠坊」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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