(読み)フルトリ

デジタル大辞泉 「隹」の意味・読み・例文・類語

ふる‐とり【×隹】

漢字構成部分で、「雄」「集」「雇」などの「隹」の称。「鳥(とりへん)」「酉(ひよみのとり)」と区別して、「ふる」の字の中のとりの意でいう。

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精選版 日本国語大辞典 「隹」の意味・読み・例文・類語

ふる‐とり【隹】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 尾の短い鳥の総称。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
  3. 漢字の構成要素の一つ。「離」「推」「雀」などの旁(つくり)または脚(あし)の部分にあるもの。鳥に関連した意味でこの部分を持つ字は、字典で「隹」の部に属する。
    1. [初出の実例]「雒は洛の字なるぞ。ふるとりをかくほどに、いき物に対したぞ」(出典:京大本湯山聯句鈔(1504))

隹の補助注記

「鳥(とりへん)」「酉(ひよみのとり)」と区別する名。「舊(旧)」の字の中にあるところからという。

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普及版 字通 「隹」の読み・字形・画数・意味


8画

[字音] スイ
[字訓] とり・これ

[説文解字]

[字形] 象形
鳥の形。〔説文〕四上に「鳥の短尾なるものの名なり」という。卜文では、神話的な鳥の表示には鳥をかき、一般には隹を用いる。語法としては「隹(こ)れ」という発語に用い、文献では唯・惟・維を用いる。また動詞として「あり」、所有格の介詞の「の」、他に並列の「与(と)」、また「雖も」と通用することがある。隹はおそらく鳥占(とりうら)に用い、軍の進退なども鳥占によって決することがあったのであろう。祝詞の器((さい))の前で鳥占をするのは唯、神の承認することをいう。その祝蠱虫呪詛があるものは雖、保留がついて逆接の意となる。

[訓義]
1. とり。
2. ふふどり。
3. これ、あり、と。
4. 雖と通じ、いえども。

[古辞書の訓]
名義抄〕隹 ナキヲ 〔立〕隹 フルトリ・トリ 〔字鏡集〕隹 トリ・ハト

[部首]
〔説文〕に三十九字、重文十二、〔玉〕に七十五字を属する。他に(すい)・(かん)などの部首がある。

[語系]
隹tjui、唯・惟・維jiuiは声近く、発語として通用する。雖siuiは、隹が肯定的であるのに対して、否定的な条件をもつ語である。

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