雁首銭(読み)がんくびぜに

精選版 日本国語大辞典 「雁首銭」の意味・読み・例文・類語

がんくび‐ぜに【雁首銭】

  1. 〘 名詞 〙 キセル雁首をつぶして、一文銭のように作った贋金。緡(さし)などにさした一文銭にまぜて通用させた。雁頭(がんず)。雁首。
    1. [初出の実例]「鴈首銭(ガンクビゼニ)壱文づつ、極て入てやらるる」(出典談義本・教訓雑長持(1752)三)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「雁首銭」の意味・わかりやすい解説

雁首銭
がんくびせん

中世から江戸時代初期までにつくられた悪銭一種。古い時代の煙管(きせる)は雁首が細長かったので、それを打ち平(ひら)めて銭貨代用品としたものといわれている。文献上にはこの名はなく俗称であるが、古銭家の収集品の中に残っている。1506年(永正3)の室町幕府撰銭(えりぜに)令に、撰(えら)んで(通用から排除して)もよい悪銭としてあげられている「うちひらめ」は、その作り方からみて、雁首銭と同一範疇(はんちゅう)であるといえよう。

[滝沢武雄]

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