雑色人(読み)ぞうしきにん

精選版 日本国語大辞典 「雑色人」の意味・読み・例文・類語

ぞうしき‐にん ザフシキ‥【雑色人】

〘名〙
令制で、四等官・品官(ほんかん)以外の伴部・使部などの雑任の官の総称官司内の雑務に従事する。諸家や諸国国衙(こくが)郡衙にもあった。雑色。〔続日本紀‐神亀三年(726)一〇月庚午〕
② 令制で、品部・雑戸の総称。身分的に公民の下にあって賤民に近く、官司の必要とする手工業生産に従事したり、官司に勤務したりする。課役を免除された。雑色。〔令集解(701)賦役
③ 平安時代以降、諸官司の雑色人のうち、特に蔵人所に勤務した雑色。下級の官人であるが、名誉の職で、公卿子孫や諸大夫が勤める。雑色。
奈良・平安時代、工匠など工事関係者の称。〔正倉院文書‐天平宝字六年(762)作金堂所解〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の雑色人の言及

【雑色】より

…雑色とは本来,種別の多いことおよび正系以外の脇役にあるものを意味し,形容詞としても使われたが,そうした傍系にある一群の人々,すなわち雑色人も雑色とよばれた。古代には四等官の正規の官人に対する準官人,農耕を本業とする思想によって末業の工芸民,諸司に分属して専門技術に従う伴部や使部など,その場所と立場に応じて異なった内容をもっている。…

※「雑色人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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