雑務(読み)ザツム

デジタル大辞泉 「雑務」の意味・読み・例文・類語

ざつ‐む【雑務】

こまごましたいろいろの用務。ぞうむ。「雑務に追われる」
[類語]実務事務業務雑役要務特務激務急務庶務総務労務公務校務学務教務会務社務商務宗務乗務

ぞう‐む〔ザフ‐〕【雑務】

ざつむ(雑務)
訴訟に関する事務。
「―の日なれば、記録所におはしまして」〈増鏡・むら時雨〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「雑務」の意味・読み・例文・類語

ぞう‐むザフ‥【雑務】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 種々雑多の用務。日常的な行政事務一般。ざつむ。
    1. [初出の実例]「大宝元年始建館舎、雑務公文、一准郡例」(出典:続日本紀‐和銅六年(713)九月己卯)
    2. 「御国の御政道、所々の要害・雑務方の御仕組等、御自身様御苦労、仏神に御信心被成候」(出典:葉隠(1716頃)一)
  3. 特に、広く訴訟の事務一般をいう。
    1. [初出の実例]「向後云庄務、云雑務、一事以上、可彼尼下知之由、所仰下也」(出典:吾妻鏡‐文治三年(1187)一〇月五日)
    2. 「ざうむの日なれば、記録所におはしまして、人の争ひうれうる事どもを行ないくらさせ給ひて」(出典:増鏡(1368‐76頃)一五)
  4. ぞうむさた(雑務沙汰)
    1. [初出の実例]「就雑務等事、有定下之篇目。雑人訴訟事、雖度々奉書」(出典:吾妻鏡‐宝治二年(1248)五月二〇日)

雑務の補助注記

本項に関連する項目は、古辞書類の読みにより「ぞうむ」としたが、日本史などでは多く「ざつむ」と読まれている。


ざつ‐む【雑務】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 種々雑多の用務。こまごまとした仕事。ぞうむ。〔書言字考節用集(1717)〕
    1. [初出の実例]「学年の初めは諸帳簿の綴変へやら、前年度の調物の残りやらで、雑務が仲々多い」(出典:足跡(1909)〈石川啄木〉)
  3. ぞうむ(雑務)

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普及版 字通 「雑務」の読み・字形・画数・意味

【雑務】ざつむ

雑役。

字通「雑」の項目を見る

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