雨境峠遺跡(読み)あまざかいとうげいせき

日本歴史地名大系 「雨境峠遺跡」の解説

雨境峠遺跡
あまざかいとうげいせき

[現在地名]立科町芦田 八ヶ野

蓼科たてしな山北西斜面の高原地帯にあって、諏訪から佐久へ抜けていく緩やかな鞍部が峠で、その数キロ間には賽の河原さいのかわらとよばれている石塚や、伝承をもつ鍵引石・鳴石などの巨石がある。峠には与惣塚よそうづかなか与惣塚・法印塚ほういんづかという三つの石塚があり、中与惣塚からは宋銭、御正体と思われる銅板薙鎌・鉄釘が石塊間から採集されている。更に佐久側へわずか下った所に勾玉原まがたまはらとよばれる小規模な平坦地があり、江戸時代以来多数の臼玉・管玉・勾玉・有孔円板・剣形品など石製模造品が発見されていて、古墳時代から中世にかけ、この峠で、峠神祭祀や蓼科山祭祀が営まれていたことが知られる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報