雷電岬(読み)らいでんみさき

日本歴史地名大系 「雷電岬」の解説

雷電岬
らいでんみさき

岩内町南西部にある日本海に面した岬。近世よりみえ、「ライデン崎」(西蝦夷地日記)、雷電岬(観国録)などと記される。岬の先端部に弁慶が刀を掛けたという伝説をもつ刀懸かたなかけ岩があり、これにちなんで刀懸岬ともよばれた。「津軽一統志」に「弁慶山と言山有。嵐はけしき所也」とある弁慶山は雷電岬の事とされる。「狄蜂起集書」に「来年の崎」とみえ、「夷諺俗話」によれば、「イソヤといふ場所の内に来年の崎といふあり。是は弁慶蝦夷人に対し来年来るべしと約諾せし所故、爰を来年崎と云伝ふるよし」という。「東海参譚」に「ライデンサキ、大岩聳て、其高き事三、四十丈ばかり、青天に突然たり」と記される(文化三年四月一〇日条)。「観国録」に弁慶刀掛岩とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の雷電岬の言及

【雷電海岸】より

…付近に温泉も湧出し,観光地として急速に開発された。海岸線は海食崖や雷電岬刀掛岩など源義経伝説にまつわる奇岩が多く,また雷電温泉(セッコウ泉,58℃)もあり,ニセコ積丹(しやこたん)小樽海岸国定公園に含まれている。【奥平 忠志】。…

※「雷電岬」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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