コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

電子不足化合物 でんしふそくかごうぶつ electron deficient compound

2件 の用語解説(電子不足化合物の意味・用語解説を検索)

世界大百科事典 第2版の解説

でんしふそくかごうぶつ【電子不足化合物 electron deficient compound】

共有性化合物では,一つの結合すなわち結合している原子間に,一つ(あるいはそれ以上)の電子対を割り当てることができるのが普通である。これに対し,そのようにするのには電子が不足している化合物があるが,これらを一般に電子不足化合物といっている。たとえばジボランB2H6およびヘキサメチル二アルミニウムAl2(CH3)6のような化合物では次のような骨格をもっており,隣り合った原子の組合せはいずれも八つあるのに,結合に使われる電子対の数は六つしかない。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

電子不足化合物
でんしふそくかごうぶつ
electron-deficient compound

共有結合にあずかる価電子殻が完全には電子で満たされていない状態で生成する化合物。典型元素(主要族元素)における共有結合では一般にnsnp軌道に合計8個の価電子が収容される電子配置が安定となるが、13族元素の水素化物、ハロゲン化物では価電子が2個不足する状態となる。ホウ素のハロゲン化物BF3、BCl3、BBr3がその例で、これらはルイス酸となり、たとえばBF3の場合、ルイス塩基となるF-を受容して、価電子が8個となるBF4-になりやすい。
 下図のジボランB2H6や塩化アルミニウム二量体Al2Cl6では、各共有結合原子間に完全には電子対が生成せず、ホウ素およびアルミニウムに割り当てられる1個の価電子が2個の水素および塩素原子(合計3個)に共有される三中心結合が生成している。
[岩本振武]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

電子不足化合物の関連キーワードキレート化σ結合π結合飽和化合物無機化合物架橋化合単結合混化ホスホジエステル結合

今日のキーワード

パラチオン、パラチオンメチル

パラチオンは無色で油状の液体、パラチオンメチルはコハク色の液体。ともに毒性が強く、有機リン系殺虫剤として使用された。50年代以降、稲の害虫被害を防ぐことが確認され、広く導入された。しかし、農民の中毒死...

続きを読む

コトバンク for iPhone