電気二重層コンデンサー(読み)デンキニジュウソウコンデンサー(英語表記)electric double-layer condenser

デジタル大辞泉 「電気二重層コンデンサー」の意味・読み・例文・類語

でんきにじゅうそう‐コンデンサー〔デンキニヂユウソウ‐〕【電気二重層コンデンサー】

電気二重層キャパシター

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「電気二重層コンデンサー」の意味・わかりやすい解説

電気二重層コンデンサー
でんきにじゅうそうこんでんさー
electric double-layer condenser

電気二重層という物理現象を利用することで蓄電効率が著しく高められたコンデンサー。電気伝導性のよいグラファイト(黒鉛)粉と電解質との堰層(えんそう)接合面を利用し、その界面に生ずる分子1層分の非常に薄い電気二重層に電荷を蓄えるので、蓄電効率が著しく高く、静電容量としては数十ミリファラドから数百ファラド以上の非常に大きな値が得られる。二次電池蓄電池)と異なり電極での可逆的化学反応によって電気エネルギーを蓄えるのではなく、イオン分子が電荷を蓄えるため、充放電による劣化は少なく、10万~100万回程度の充放電サイクルが可能で長寿命である。一方、コンデンサーなので、自己放電によって時間とともに電荷が失われ、二次電池と比べると蓄電できる時間は短い。しかし、化学反応を必要としないため充電と放電の反応が早く、内部抵抗も低いために、大電流での充放電が行えるという長所を備えている。

 以上で述べた特徴を生かす形で、電気二重層コンデンサーは大容量・ハイパワーの電気エネルギー貯蔵デバイス(装置)として有望視され、20世紀末ごろから約10年の間に実用化への研究開発がメーカー、大学、公的研究機関などにおいて、組織的に進められた。現在、電気二重層コンデンサーの利用は、情報通信端末などの電子機器におけるメモリーバックアップ電源やバッテリー代替電源をはじめ、自動車スターターやアクチュエーター駆動電源、無停電補償電源などから自然エネルギーの平準化・貯蔵用電源などの電力関連分野にまで及び、いくつかの分野で使用が始まっている。

[坂田好一郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

知恵蔵 「電気二重層コンデンサー」の解説

電気二重層コンデンサー

「高密度エネルギー電池」のページをご覧ください。

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android