震う(読み)フルウ

デジタル大辞泉 「震う」の意味・読み・例文・類語

ふる・う〔ふるふ〕【震う】

[動ワ五(ハ四)]《「振るう」と同語源》
寒さや恐怖でからだが小きざみに動く。ふるえる。
「―・う声で詰問しはじめた」〈鴎外魚玄機
揺れ動く。震動する。
「地の―・ひ家のやぶるる音、雷に異ならず」〈正保整版本方丈記
[動ハ下二]ふるえる」の文語形

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「震う」の意味・読み・例文・類語

ふる・うふるふ【震】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 ハ行四段活用 〙 ( 「ふるう(振)」と同語源 )
    1. こきざみにゆれ動く。震動する。
      1. [初出の実例]「揺〈布流布〉」(出典:金光明最勝王経音義(1079))
    2. 鳴りひびく。とどろきわたる。鳴りわたる。鳴動する。
      1. [初出の実例]「六師は雷のごとく震(ふる)ひて、三軍は電のごとく逝きき」(出典古事記(712)序)
    3. 恐ろしさや寒さなどで身体や声が小きざみにゆれ動く。わななく。おののく。戦慄(せんりつ)する。また、いきどおりのため、身体がぶるぶるとする。
      1. [初出の実例]「時に男女余人、皆其の難に遭ひ、身単(フルヒ)心慄り、憑恃む所無し〈興福寺本訓釈 単 不留比〉」(出典:日本霊異記(810‐824)上)
      2. 「其娘はちぎれたる解き物の単一ツ身に纏ひて凍え戦ひ居たるを見て」(出典:小学読本(1874)〈榊原・那珂・稲垣〉五)
    4. (おこり)発作が起こる。
      1. [初出の実例]「侍の有けるが、おこりをこそはふるひけれ」(出典:仮名草子・竹斎(1621‐23)下)
  2. [ 2 ] 〘 自動詞 ハ行下二段活用 〙ふるえる(震)

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