精選版 日本国語大辞典 「戦慄」の意味・読み・例文・類語
わなな・く【戦慄】
〘自カ五(四)〙
※狭衣物語(1069‐77頃か)二「御几帳の中をすべり出でさせ給も、わななかれて、とみにも動かれさせ給はざりけり」
② 音や声がふるえる。ふるえ声になる。
※枕(10C終)一四二「神楽の笛のおもしろくわななき吹きすまされてのぼるに」
③ 整然とした形にならないで、乱れた状態になる。ざわめく。動揺する。
※落窪(10C後)二「下臈の物見んとわななき騒ぎ笑ふこと限りなし」
わななか
し【戦慄】
〘形シク〙 (動詞「わななく(戦慄)」の形容詞化) 恐れや緊張などのため、ふるえが起こりそうになるほどである。
※夜の寝覚(1045‐68頃)一「物などを言ひまぎらはし、さらぬ顔にと思ふ心地も、いとわななかしくわびしけれど」
わななき【戦慄】
※宇津保(970‐999頃)蔵開下「水のわななきして、汗にしとどに濡れて、かがまり伏し給へれば」
わななか・す【戦慄】
〘他サ四〙 わななくようにする。恐れや緊張などのため、からだや声をふるえさせる。
※古本説話集(1130頃か)四四「いで、さは詠めといへば、程もなく、わななかして、うち出だす」
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