露藤村（読み）つゆふじむら

日本歴史地名大系

露藤村
つゆふじむら

• 山形県：東置賜郡
• 高畠町
• 露藤村

[現在地名]高畠町露藤・中島（なかじま）

入生田（いりゆうだ）村の南、天王（てんのう）川（梓川）と砂（すな）川に挟まれた地味肥沃な平地に立地。枝郷に中島村がある。戦国期に、露藤には伊達家臣富塚備中の、中島には同安藤照明の館があったと伝える。天文七年（一五三八）の段銭古帳にみえる「露ひち」（段銭一〇貫三〇〇文）は当地をさし、同二二年の晴宗公采地下賜録では屋代（やしろ）庄の「ついひちの内」の「三郎へもんさいけ」が浜田宮内少輔に、「露ひちの内、留(富)塚あふミちきやうの通のこさす」が長ゑひけんに、「露ひちの内、さ竹越中預の所、なか嶋在け一間」が鹿俣助七郎に、「露ひちの内、中しま」の切田が中村源三にそれぞれ与えられている。

文禄三年（一五九四）六月の露藤村検地帳（山形県史）は、「露藤之村」と「露藤ノ内中嶋分」に分けて記載されており、当荒・永荒を除いた反別は五七町六反余。内訳は上田六町九反余・中田二〇町三反余・下田一六町四反余・上畠二町一反余・中畠四町三反余・下畠六町余・屋敷一町三反余。名請人は三九名で、一反以下九名、一反以上五反未満九名、五反以上一町未満五名、一町以上二町未満五名、二町以上三町未満三名、三町以上四町未満四名、四町以上五町未満二名、五町以上一〇町未満一名、約二〇町一名という階層構成になっている。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」