青柳の(読み)アオヤギノ

デジタル大辞泉 「青柳の」の意味・読み・例文・類語

あおやぎ‐の〔あをやぎ‐〕【青柳の】

[枕]青柳の糸のような枝をかずらにかける意から》「いと」「かずら」などにかかる。
「―いと定めなき人の心を」〈拾遺・恋三〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「青柳の」の意味・読み・例文・類語

あおやぎ‐のあをやぎ‥【青柳の】

  1. 柳の葉の形が細くて、眉毛に似ているところから、「細き眉根」にかかる。
    1. [初出の実例]「青柳乃(あをやぎノ) 細き眉根(まよね)を 笑(ゑ)みまがり」(出典万葉集(8C後)一九・四一九二)
  2. 柳の枝が細いのを糸に見立てるところから、糸と同音の副詞「いと」および「いとど」にかかる。
    1. [初出の実例]「あをやぎのいとつれなくもなりゆくかいかなる筋に思ひ寄らまし〈藤原師尹〉」(出典:後撰和歌集(951‐953頃)春中・六七)
  3. 葉の出た柳の枝を折り取って「かづら(鬘)」にするところから、同音を含む地名葛城山(かづらきやま)」にかかる。
    1. [初出の実例]「白雲の絶え間になびく青柳の葛城山に春風ぞ吹く〈藤原雅経〉」(出典:新古今和歌集(1205)春上・七四)

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