藤原雅経(読み)フジワラノマサツネ

デジタル大辞泉 「藤原雅経」の意味・読み・例文・類語

ふじわら‐の‐まさつね〔ふぢはら‐〕【藤原雅経】

飛鳥井雅経あすかいまさつね

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精選版 日本国語大辞典 「藤原雅経」の意味・読み・例文・類語

ふじわら‐の‐まさつね【藤原雅経】

  1. 鎌倉初期の歌人飛鳥井家の祖。頼経の子。従三位参議に至った。和歌俊成に学び、「新古今和歌集」の撰者一人となり、蹴鞠や書にもすぐれた。家集に「明日香井集」がある。嘉応二~承久三年(一一七〇‐一二二一

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改訂新版 世界大百科事典 「藤原雅経」の意味・わかりやすい解説

藤原雅経 (ふじわらのまさつね)
生没年:1170-1221(嘉応2-承久3)

鎌倉前期の歌人。藤原北家師実流に属し,刑部卿頼経の次男。従三位参議に昇る。飛鳥井家の祖。祖父頼輔の血を継ぎ,蹴鞠(けまり)の名手で,飛鳥井流一派を開き,鎌倉にも招かれて指導していた。のち俊成に学び,後鳥羽院歌壇の少壮歌人として急速に頭角を現し,和歌所寄人さらに新古今集撰者の一人となった。《正治二年院二度百首》《千五百番歌合》《元久詩歌合》など,当時頻繁に催された百首和歌や歌合に参加。〈近き人の歌の詞をぬすみとる事〉(《八雲御抄》)の歌人例に挙げられる面もあったが,本歌取技巧に長じ,優艶にあわれの添う詠風に特色をみせ,〈うつりゆく雲に嵐の声すなり散るかまさ木の葛城の山〉(《新古今集》)などが有名。家集《明日香井和歌集》があり,勅撰集入集132首。また,書にも長じ,その手跡を〈熊野懐紙〉〈崇徳天皇御本古今集〉などにうかがうことができる。多芸多才の人であった。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「藤原雅経」の意味・わかりやすい解説

藤原雅経
ふじわらのまさつね
(1170―1221)

鎌倉時代の歌人。従四位(じゅしい)下刑部卿(ぎょうぶのきょう)頼経(よりつね)の二男。母は正二位大納言(だいなごん)源顕雅女(あきまさのむすめ)。平安末期からとくに盛行してきた鞠(まり)を蹴(け)って遊ぶ貴人の遊戯の蹴鞠(しゅうきく)の飛鳥井(あすかい)家の祖。1180年(治承4)叙爵(じょしゃく)、源頼家に好遇され、鎌倉幕府政所(まんどころ)別当大江広元の女婿。97年(建久8)後鳥羽院(ごとばいん)の命で上洛(じょうらく)し、侍従、左中将、右兵衛督(うひょうえのかみ)などを経て、1220年(承久2)参議。院の寵愛(ちょうあい)を受け、「正治(しょうじ)二年(1200)後鳥羽院第二度百首」「建仁(けんにん)元年(1201)二月老若五十首歌合(うたあわせ)」「千五百番歌合」などの後鳥羽院歌壇で活躍。『新古今和歌集』の撰者(せんじゃ)。後の順徳院(じゅんとくいん)内裏(だいり)歌壇でも常連として活躍した。家集に『明日香井(あすかい)集』がある。

[有吉 保]

 み吉野の山の秋風小夜(さよ)ふけてふるさと寒く衣うつなり

『田村柳壱「藤原雅経の和歌活動とその詠歌をめぐって」(『中世文学』22号所収・1982・中世文学会)』


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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「藤原雅経」の解説

藤原雅経 ふじわらの-まさつね

飛鳥井雅経(あすかい-まさつね)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「藤原雅経」の意味・わかりやすい解説

藤原雅経
ふじわらのまさつね

飛鳥井雅経」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の藤原雅経の言及

【蹴鞠】より

…〈しゅうきく〉ともいう。足で皮製の鞠(まり)を一定の高さにけあげて,墜落させることなく,正格な動作でける回数の多いのを優秀とする古典的な遊戯。すでに7世紀の半ば,中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)が法興寺のツキ(槻)の木の下で鞠をけった話は有名であるが,12世紀ころから盛大になって,設備や技術の上にも一定の形式ができ,蹴鞠道としての完成をみるとともに,この種の芸道に関してはすべて技芸の中心的指導者による独占的家業として伝えられた。…

※「藤原雅経」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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