青江(読み)あおえ

日本歴史地名大系 「青江」の解説

青江
あおえ

平安末期に名匠安次によって興され、南北朝期まで続いた刀工群を総称して青江鍛冶といい、数のうえでは備前に及ばないものの、作ぶりと品位で全国的にも知られている。青江はこうした刀工群が鍛刀の場とした地名であるが、その比定地については諸説ある。「備中集成志」は、青江の清水と称するものは窪屋くぼや子位庄こいのしよう村、同(小)(現都窪郡山手村)・同酒津さかづ村、吉備津の有木ありき別墅細谷ほそたに川の辺り、賀陽郡井尻いじり(現総社市)などにあると紹介する。また「備中誌」は、このほか都宇つうしよう村・賀陽郡花尻はなじり(現岡山市)後月しつき江原えばら(現井原市)阿賀あが水田みずた(現新見市)を記したうえで、万寿ます庄のうちにあたる上庄こそ本拠地とする。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報