領事関係に関するウィーン条約(読み)りょうじかんけいにかんするウィーンじょうやく(その他表記)Vienna Convention on Consular Relations

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

領事関係に関するウィーン条約
りょうじかんけいにかんするウィーンじょうやく
Vienna Convention on Consular Relations

領事関係に関する一般国際法を明確にした条約,全 79条。 1963年4月 24日ウィーンで調印,67年3月 19日発効した。条約の特色は,領事関係一般については,接受国の利益の保護を重視し,また領事の特権免除については,外交使節のそれに接近している点である。また2国間の外交関係の開設についての同意は,別段の意思表示のないかぎり,領事関係の開設についての同意をも含むものとする一方で,外交関係の断絶が必ずしも領事関係の断絶をもたらすものでないことを明らかにしている (2条2,3項) 。なおこの条約には,国籍の取得および紛争の義務的解決に関する議定書が付属している。日本は 83年 11月2日にこの条約を批准した。

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世界大百科事典(旧版)内の領事関係に関するウィーン条約の言及

【領事】より

…なお,トルコや中国等若干の非キリスト教国では,国家の法制度が十分に整っていなかったこと,欧米諸国と著しく文化を異にしていたこと等の事情により,領事裁判権がかなり最近まで認められていた。 領事制度については,今日,一般的な条約として〈領事関係に関するウィーン条約〉(1963年採択,1967年発効,1996年2月現在の当事国数は153,日本は1983年になって加入した)があり,この条約が領事関係の一般国際法として確立しつつある。この条約は,領事の種類,階級,任免,任務等について定めるとともに,領事の特権について外交特権に準じて詳細に規定している。…

※「領事関係に関するウィーン条約」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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