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外交使節 ガイコウシセツ

百科事典マイペディアの解説

外交使節【がいこうしせつ】

国家を代表して対外的行動をする任務をもって外国に派遣される者。常任外交使節と臨時外交使節とがあり,前者は任地に常駐し,後者には国際会議全権委員などの政治的任務をもつ事務使節と慶弔の儀式に参加のための儀礼使節とがある。
→関連項目外交関係に関するウィーン条約外交団外交断絶外国人高等弁務官国家承認信任状治外法権

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大辞林 第三版の解説

がいこうしせつ【外交使節】

一国を代表し、国際会議や他国との外交交渉に派遣される者。自国民の保護および駐在国の情勢の観察と報告の任にも当たる。常駐使節と臨時使節とがあり、前者には大使・公使・代理公使などの別がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

外交使節
がいこうしせつ

国家を代表して、その資格において対外的に行動する任務を派遣国によって課せられた国家機関。臨時外交使節と常駐外交使節の2種類がある。外交使節に関する国際法は長い間の慣習法として形成されてきたが、1961年には「外交関係に関するウィーン条約」が、また69年には「特別使節団に関する条約」が採択され、一般条約の形で成文化されるに至っている。
 外交使節は歴史的には臨時外交使節から発達を始め、その起源は古代エジプト、ギリシア、ローマにさかのぼる。臨時外交使節の任務は、派遣に際して、そのつど特定されるが、大別して、政治的任務を帯びて外交交渉や国際会議に派遣される政治使節または事務使節と、国家を代表して外国の式典などに派遣される儀礼使節とがある。他方で、常駐外交使節が置かれたのは中世末期のイタリア都市国家間が最初だといわれているが、17世紀後半にはヨーロッパ諸国間で一般化するに至り、それにつれて、席次・階級や特権などに関する国際法がしだいに形成された。常駐外交使節の階級については、1815年のウィーン会議および1818年のエクス・ラ・シャペル会議において、当時の有力な諸国によって規則がつくられ、以来いずれの国もこれに従っている。それによると、使節には大使、公使、弁理公使、代理公使の4階級がある。もっとも弁理公使は、最近ではほとんど用いられなくなり、1961年に採択されたウィーン条約でも、この階級は廃止されている。外交関係を開設し、どの階級の外交使節を派遣するかは、いずれも派遣国と接受国の合意によって定まるが、大国間や利害関係の密接な国家間では大使の派遣されることが多い。最近では各国とも大使の階級の使節を派遣することが多くなっている。同一の階級の使節の間での席次は、信任状を提出した日付の順序によるか、または到着を接受国外務省に通告し、信任状の写しを外務省に提出した日付の順序によるかのいずれかで、接受国で行われている一般的習律によって決定される。もっとも、使節の階級や席次によって使節の職務や特権に差異が生じることはない。
 常駐外交使節の職務として重要なものは、(1)接受国において派遣国を代表すること、(2)接受国において、国際法が認める範囲内で派遣国およびその国民の利益を保護すること、(3)接受国の政府と交渉すること、(4)接受国における諸事情をすべての適法な手段によって確認し、かつ、これらについて派遣国の政府に報告すること、(5)派遣国と接受国との間の友好関係を促進し、かつ、両国の経済上、文化上および科学上の関係を発展させること、とされている。これらの職務を果たすため、外交使節は、外交職員、事務および技術職員、ならびに役務職員を伴い、これらによって使節団が構成される。外交使節は、使節団の長にほかならない。外交使節と外交職員は、外交官とよばれる。
 外交使節の任命は派遣国によって行われる。しかし接受国は、使節として派遣される者について、個人的な理由でその接受を拒絶することができる。かならずしも拒絶の理由を明示する必要もない。もっとも、理由もなく拒絶したり、不当な理由で拒絶したりするときは、国際世論の非難や、派遣国の抗議、報復を免れない。常駐外交使節の派遣についての紛議を避けるため、派遣国は、事前に接受国の同意、すなわちアグレマンを求めることとされている。常駐外交使節の派遣は信任状によって行われ、その提出によって正式の接受が成立する。臨時外交使節の派遣は全権委任状によって行われることが多い。常駐外交使節の任務は、使節の死亡、使節の自発的退去、使節に対する退去強制、派遣国政府による召還によって終了する。召還は、派遣国の発意によることもあれば、接受国の要求に基づくこともある。前者は、国交断絶、使節の辞任・転任などによって行われ、後者は、国交断絶、使節の不当または不法な行為などによって行われる。なお、派遣国または接受国において、政体や元首の変更が生じたときには、相当期間内に信任状を改めて提出しなければ使節の任務は終了する。
 外交使節および使節団構成員ならびにそれらの家族については、さまざまの特権・免除が認められる。任務の円滑な遂行のためには、接受国の国権の行使が抑制され、使節などを保護し便益を提供することが必要だからである。これらの特権・免除を総称して外交特権という。最近では外交特権の乱用とみられる例も多く、その見直しさえ問題となるほどである。他方で外交使節など外交官に対するテロなどの侵害行為も多く、1973年に国連総会は「外交官等保護条約」を採択し(77年発効)、その防止と処罰について規定した。[石本泰雄]

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世界大百科事典内の外交使節の言及

【外交官】より

…一般には,外交使節(大使公使)とそのおもな随員をさすが,法令では,外務公務員のうち,主として外交事務に携わる一般職の職員(参事官,一等書記官,二等書記官,三等書記官および外交官補の名称を用いることのできる者)をさす。外交官に関し,イギリスの外交官ウォットンHenry Wotton(1568‐1639)は〈彼の国のために外国に噓をつくために派遣される正直な人間〉と表現し,フランスの外交官カリエールFrançois de Callières(1645‐1717。…

【大使】より

…外交使節の最高の階級。臨時外交使節としての大使と常置外交使節としての大使がある。…

※「外交使節」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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