顎骨骨髄炎(読み)がくこつこつずいえん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「顎骨骨髄炎」の意味・わかりやすい解説

顎骨骨髄炎
がくこつこつずいえん

歯根(しこん)膜炎、歯槽(しそう)骨炎等の歯性炎症が顎骨に拡大し、顎骨骨髄部に炎症の中心があるものをいう。上顎より下顎に多くみられ、典型的な急性化膿性(かのうせい)下顎骨骨髄炎では、発熱、原因歯を含む数歯の弛緩(しかん)動揺激痛、叩痛(こうつう)を示し、さらに患側下口唇の知覚異常、歯肉腫脹(しゅちょう)等が生じる。やがて膿瘍(のうよう)を形成し、膿の排出により急性症状は治まるが、顎骨が壊死(えし)に陥って腐骨を形成する。初期には安静を保ち、湿布口腔(こうくう)清掃を施すとともに、積極的に抗生剤の投与を行う。膿瘍が形成されていれば、歯肉ないし顎骨に穿孔(せんこう)し、排膿させる必要がある。腐骨が形成され、慢性病に移行したものでは、手術により腐骨の摘出を行う。

[矢﨑正之]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

貨幣 (名目) 賃金額を消費者物価指数でデフレートしたもので,基準時に比較した賃金の購買力を計測するために用いられる。こうしたとらえ方は,名目賃金の上昇が物価の上昇によって実質的には減価させられている...

実質賃金の用語解説を読む