顔出(読み)かおだし

精選版 日本国語大辞典 「顔出」の意味・読み・例文・類語

かお‐だしかほ‥【顔出】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 人の家を訪問すること。また、あいさつをしに行くこと。
    1. [初出の実例]「京のよし田のかみ帳に、かほ出しもせぬうぶかみは」(出典:歌謡・半太夫節正本集(17C後‐18C前)八二)
    2. 「所帯をもつと妙に遠(とほざ)かって〈略〉結局(しまひ)には年始だけの顔出(カホダシ)になるよ」(出典多情多恨(1896)〈尾崎紅葉〉前)
  3. 集会会合などに出席すること。世間の人とつきあうこと。〔詞葉新雅(1792)〕
    1. [初出の実例]「旧き友達の名前までも汚し再び世間へ顔出(カホダシ)をすることが出来まいから」(出典:花間鶯(1887‐88)〈末広鉄腸〉中)
  4. ( 比喩的に ) 表面に現われること。
    1. [初出の実例]「富岡先生と富岡氏との二個(ふたり)の人が此老人の心中に戦かって居る〈略〉富岡氏の顔出(カホダシ)する時は全く無かった」(出典:富岡先生(1902)〈国木田独歩〉五)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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