顕本寺(読み)けんぽんじ

日本歴史地名大系 「顕本寺」の解説

顕本寺
けんぽんじ

[現在地名]堺市宿院町東四丁

土居川どいがわ公園の西、大阪中央環状線の南に位置する。法華宗、山号常住山、本尊十界大曼荼羅。応永年間(一三九四―一四二八)法華宗八品派の祖日隆が摂津尼崎あまがさき(現兵庫県尼崎市)本興ほんこう寺建立後、当地で布教した際、木屋某・餝屋某が帰依して自宅を提供し法華堂を建立したのが起源で、宝徳二年(一四五〇)日隆の弟子日浄が開山として請じられた(両山歴譜)。当時は開口あぐち神社付近にあったという。なお奈良興福寺大乗院門跡尋尊は長享三年(一四八九)八月に堺を訪れ、同月一九日に市中寺社を巡礼しているが、そのなかに「顕法寺法花宗(大乗院寺社雑事記)とあるのは顕本寺のこととみられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の顕本寺の言及

【隆達節】より

…北朝の貞治(1362‐68)ころ,9代三郎兵衛道玄のときに堺に移住,薬種と交易を業とし,このころ高三と通称して苗字とした。隆達は隆喜の末子で,早くから僧籍に入り,高三家の菩提寺,堺の顕本寺(けんぽんじ)(法華宗)内に自在庵を営み,自庵隆達と号した。1590年(天正18)長兄隆徳の死にあい,後嗣が若年のため還俗して家業を継いだが,天性器用な彼は連歌,声曲,書画等各方面に才能を発揮し,なかでも先行の室町小歌に同調,みずから小歌を作詞するとともに,今様(いまよう),小歌節,謡曲等の音曲を折衷・調和して,世にいう〈隆達節〉を編み出した。…

※「顕本寺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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