類型論(読み)るいけいろん

百科事典マイペディア 「類型論」の意味・わかりやすい解説

類型論【るいけいろん】

類型(タイプ)に基づく分類記述をこととする学問の称で,英語typologyなどの訳。片仮名タイポロジーとも。個々の存在あるいは現象の間に類型を設定することによって本質を理解しようとするもの。類型とはそれ自身の内部に多数の個体を包括し,各個体に対して普遍性をもつと同時に,他の同位のものに対して特異性をもつ類概念の一種。〈アポロン型〉と〈ディオニュソス型〉,〈内向型〉と〈外向型〉などはその例。類型の概念は元来,生物学における動・植物の分類に使用されたものであるが,のち精神科学に採用され,特に類型の問題を精神科学の中心に置いたのはディルタイであった。彼の影響のもとに,比較心理学,性格学,美術史,経済史など多くの領域にわたって,文化の類型学的研究が重要な課題となるに至った。なお,原語typologyには,旧約聖書中の出来事に新約聖書のそれの先駆を見て相互の連関を論じる聖書解釈(予表論,予型論)の意味もある。→形態学

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