顰・嚬(読み)ひそめる

精選版 日本国語大辞典 「顰・嚬」の意味・読み・例文・類語

ひそ・める【顰・嚬】

〘他マ下一〙 ひそ・む 〘他マ下二〙
① 眉のあたりにしわをよせる。しかめる。
※将門記承徳三年点(1099)「眉を嚬(ヒソメ)て涕涙す」
良人自白(1904‐06)〈木下尚江〉後「俊三は激しき痛さに顔を顰(ヒソ)めつつ」
② ちぢめる。
※南海寄帰内法伝平安後期点(1050頃)二「各の両辺を蹙(ヒソ)め双べて」

ひそ・む【顰・嚬】

[1] 〘自マ四〙
眉根口元などがゆがむ。顔つきがゆがむ。→くちひそむ
べそをかく。泣き顔になる。
落窪(10C後)四「ただひそみにひそみ給ひて」
源氏(1001‐14頃)若菜上「まみのあたりうちしぐれて、ひそみ居たり」
[2] 〘他マ下二〙 ⇒ひそめる(顰)

ひそみ【顰・嚬】

〘名〙 (動詞「ひそむ(顰)」の連用形名詞化) 眉をしかめること。
黒蜴蜓(1895)〈広津柳浪〉一「其眉頭(まゆ)には顰(ヒソ)みも見ゆ」

ひん【顰・嚬】

〘名〙 顔をしかめること。眉をひそめること。ひそみ。〔駱賓王‐王昭君詩〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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