水際(読み)ミズギワ

デジタル大辞泉 「水際」の意味・読み・例文・類語

みず‐ぎわ〔みづぎは〕【水際】

水面陸地と接している所。みぎわ。「水際植物
上陸する直前。「感染症侵入水際で防ぐ」「水際作戦」
物の、水面に接する所。また、船の喫水きっすい線。
生け花で、花材が水面に接するところ。
[補説]2は、島国ではなく地続き地域でも、国内に入る直前のことを水際と言い表すことがある。
[類語]波打ち際水辺水上川辺葦辺水面すいめん水面みなも水中

み‐な‐ぎわ〔‐ぎは〕【水際】

《「な」は「の」の意の格助詞》みずぎわ。みぎわ。
「舟競ふ堀江の川の―に来居つつ鳴くは都鳥かも」〈・四四六二〉

すい‐さい【水際】

水のほとり。みずぎわ。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「水際」の意味・読み・例文・類語

みず‐ぎわ みづぎは【水際】

〘名〙
① 陸地が海や川などの水に接する所。水辺。みぎわ。みなぎわ。転じて上陸する間際をいう。
新撰字鏡(898‐901頃)「濆 水涯也 水支波 又伊曾 又波万」
蜻蛉(974頃)中「いと程狭き崎にて、下の方は、みづきはに車たてたり」
② 物の、水面に接する所。また、船の喫水(きっすい)のこと。
※枕(10C終)三〇六「ものをいと多く積み入れたれば、水ぎははただ一尺ばかりだになきに」
③ 生け花で、いけた枝や葉が水面に接したところ。
※男重宝記(元祿六年)(1693)三「水際(ミヅキハ)は、春秋は中、夏は高く、冬はひきし」
④ (「みずぎわだつ(水際立)」の略) きわ立ってすぐれていること。目立って美しいこと。
※雑俳・塵手水(1822)「見所があり・師の水際へ一座の眼」

すい‐さい【水際】

〘名〙 水のほとり。みずぎわ。水辺。水涯(すいがい)
江戸から東京へ(1921)〈矢田挿雲〉七「江戸の絵は主として隅田川に於ける江戸ッ子の生活題材とし、水際(スヰサイ)又は中流へ真ッ黒な藍を塗り」 〔梁元帝‐赴荊州泊三江口詩〕

み‐な‐ぎわ ‥ぎは【水際】

〘名〙 (「な」は「の」の意) みずぎわ。みぎわ。
万葉(8C後)二〇・四四六二「舟ぎほふ堀江の川の美奈伎波(ミナギハ)に来居つつ鳴くは都鳥かも」

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普及版 字通 「水際」の読み・字形・画数・意味

【水際】すいさい

岸べ。宋・楊万里〔尤延之(袤)の山水両軸に跋す、二首、一〕詩 水際、くして、ばみ 霜、木ちて、香し 漁舟去り盡して、天將(まさ)に夕ならんとす 色飛來す、鷺一行

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