(読み)ヒン

デジタル大辞泉 「顰」の意味・読み・例文・類語

ひん【顰】[漢字項目]

[音]ヒン(漢) [訓]しかめる ひそめる
顔をしかめる。眉をひそめる。「顰蹙ひんしゅく一顰一笑

ひん【×顰/×嚬】

顔をしかめること。まゆをひそめること。ひそみ。

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精選版 日本国語大辞典 「顰」の意味・読み・例文・類語

ひん【顰・&JIS885C;】

  1. 〘 名詞 〙 顔をしかめること。眉をひそめること。ひそみ。〔駱賓王‐王昭君詩〕

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普及版 字通 「顰」の読み・字形・画数・意味


24画

(異体字)
19画

[字音] ヒン
[字訓] しかめる・ひそめる・うれえる

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(頻)(ひん)。〔説文〕十一下に「水を(わた)りて顰戚(ひんしゆく)するなり」とあり、〔玉〕に「顰蹙(ひんしゆく)するなり。憂愁して樂しまざるのなり」という。〔説文〕に渡水のことをいうのは、の省文に従うと解するからであろう。金文の順ももと(じゆん)に作り、やはり渡水の意を含む。順は孝子の徳をいう字で、金文には父祖に対して自ら順子という。水際で行われる儀礼をいう語で、葬送の儀礼に関するものと思われる。顰が顰蹙の字であるのも、その関連において理解すべきであろう。字はまたに作り、(賓)(ひん)声の字と関係がある。は神を迎えること、殯は葬送の礼をいう。

[訓義]
1. しかめる、顔をしかめる、ひそめる、眉をひそめる。
2. うれえる、かなしい。

[古辞書の訓]
立〕顰 ヒソム

[熟語]
顰蹙顰笑
[下接語]
一顰・開顰・学顰・含顰・嬌顰・軽顰・孤顰・効顰・笑顰・美顰・微顰・慕顰・柳顰

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【能面】より

…(2)は口を開いた阿(あ)形と,閉じた吽(うん)形に分けることができ,前者には飛出(とびで)の,後者には癋見(べしみ)の諸面があり,年たけて威力のある悪尉の諸種もここに入れてよいであろう。ほかに阿形では天神,黒髭(くろひげ),顰(しかみ),獅子口など,吽形では熊坂(くまさか)がある。能面の鬼類では女性に属する蛇や般若,橋姫,山姥(やまんば)などのあることが特筆される。…

※「顰」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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