飄然(読み)ひょうぜん

精選版 日本国語大辞典 「飄然」の意味・読み・例文・類語

ひょう‐ぜん ヘウ‥【飄然】

〘形動タリ〙
① ふらふらして定まらないさま。とどまらないでただようさま。
※蕉堅藁(1403)送古心蔵主帰天草旧隠「此日送君帰絶境、青鞋布襪興飄然」
文明論概略(1875)〈福沢諭吉〉五「彼の士族の流が飄然として産を治めず」 〔杜甫‐春日憶李白詩〕
用事や目的もなくふらりと来たり、ふらりと立ち去ったりするさま。副詞的にも用いる。
※性海霊見遺稿(1396頃)虎関和尚七周忌陞座「爰孤錫飄然。遠入中華
※いさなとり(1891)〈幸田露伴〉八「四十四五歳の爺(ぢぢ)になりて飄然(ヘウゼン)帰村したる不思議さ」

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デジタル大辞泉 「飄然」の意味・読み・例文・類語

ひょう‐ぜん〔ヘウ‐〕【×飄然】

[ト・タル][文][形動タリ]
世事を気にせずのんきなさま。飄乎ひょうこ。「飄然とした暮らし」
ふらりとやって来たり去ったりするさま。飄乎。「飄然と去る」

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普及版 字通 「飄然」の読み・字形・画数・意味

【飄然】ひよう(へう)ぜん

ひらりとあてどなく。思いがけず。唐・杜甫〔春日、李白を憶(おも)ふ〕詩 白や、詩、無し 飄然として、思ひ不群

字通「飄」の項目を見る

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