デジタル大辞泉
「世事」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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せい‐じ【世事】
- 〘 名詞 〙
- ① 世の中の事。世間の俗事。処世のこと。せじ。
- [初出の実例]「野中芼レ菜、世事推二之蕙心一矣」(出典:菅家文草(900頃)五・早春観賜宴宮人同賦催粧)
- 「又わすれずとても、世事(セイジ)を塵垓(ぢんかい)ともおもはざれば」(出典:評判記・色道大鏡(1678)五)
- [その他の文献]〔史記‐屈原伝〕
- ② 仏語。僧が、定められた以外の食事をすること。
- [初出の実例]「未申の時ばかり非時して、法師原坂本へ下りぬれば、夕方寄り合ひて、事と名づけ我我世事(セイジ)して食す」(出典:雑談集(1305)三)
- ③ 和船で、船内の炊事を行なう部屋。なお江戸時代の関東の川船では、炊事の間を兼ねた船頭らの居住用小屋形を同様に呼んだ。世事の間。世事所。火床(ひどこ)の間。
せ‐じ【世事】
- 〘 名詞 〙
- ① 世間の事。世の中のこと。人事。俗事。せいじ。〔日葡辞書(1603‐04)〕
- [初出の実例]「吁(ああ)世事の変遷し易きや、此家今日復た玉車を迎へず空しく既往の事とはなれり」(出典:花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉三九)
- ② 世間の事に対処すること。人に対する態度。転じて、愛想のよい口のききかた。世辞。
- [初出の実例]「かんにんなんしまた文里さんのせじがはじまった」(出典:洒落本・傾城買二筋道(1798)冬の床)
- 「艷言(セジ)で欺(まろめ)て浮薄(うはき)で交(こね)て」(出典:人情本・春色梅児誉美(1832‐33)序)
- ③ =せいじ(世事)②
世事の語誌
( 1 )①の意味ではセイジともいう。古辞書類も多く「せいじ」と読んでおり、中世まではセイジが一般的であったと思われる。
( 2 )②の意味は①から生じたが、「世辞」の表記も生まれ、明治以降、この表記が定着した。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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普及版 字通
「世事」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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