化学辞典 第2版 「食品用色素」の解説
食品用色素
ショクヒンヨウシキソ
food dye, food color
食品を着色する目的で使用される食品添加物.植物や動物由来の天然着色料と,化学合成によって製造されるタール色素(アゾ色素)などの合成着色料に分けられる.天然着色料としては,アトナー(ビキシン),ウコン(クルクミン),パプリカ(カプサイシン),コチニール(カルミン酸)など約60種類が指定されている.合成着色料としては,モノアゾ色素(食用赤色2号,食用黄色4号など),キサンテン色素(食用赤色3号),トリフェニルメタン色素(食用青色1号)など,酸性タール色素12種類が指定されている.タール色素の多くが水溶性であるため,色素に塩化アルミニウムを加え,共沈殿させたアルミニウムレーキとして使用されることが多い.かつての食品衛生法では合成着色料のみが表示義務対象であったが,各種の天然着色料の開発により,現在は,天然着色料においても使用できる着色料が厚生労働大臣により指定され,その表示基準も定められている.一方で,タール色素の使用には安全性の問題も指摘されている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報