家庭医学館 「食道の良性腫瘍」の解説
しょくどうのりょうせいしゅよう【食道の良性腫瘍 Benign Tumor of the Esophagus】
食道に発生する良性腫瘍には、平滑筋腫瘍(へいかつきんしゅよう)、嚢腫(のうしゅ)、ポリープ、乳頭腫(にゅうとうしゅ)、線維腫(せんいしゅ)、血管腫(けっかんしゅ)、脂肪腫(しぼうしゅ)などがおもなもので、平滑筋腫瘍がもっとも多く、全体の半数以上を占めます。食道がんに比べると、頻度ははるかに少ないものです。
腫瘍が小さいうちは症状がなく、大きくなるにつれてものがつかえるなどの症状がおこってくるのがふつうです。
[検査と診断]
食道造影、食道内視鏡などで腫瘍の存在はわかりますが、悪性腫瘍の肉腫(にくしゅ)との鑑別がむずかしいこともあります。最近では超音波内視鏡を用いて組織検査を行なう試みもあります。
[治療]
小さなものは、内視鏡で切除できます。悪性が疑われたり、良性でも症状があれば、開胸手術や胸腔鏡下手術(きょうくうきょうかしゅじゅつ)が行なわれます。