腫瘍(しゅよう)は病理学的に、良性上皮性腫瘍、良性非上皮性腫瘍、悪性上皮性腫瘍、悪性非上皮性腫瘍に分類されており、悪性上皮性腫瘍は癌(がん)(癌腫)を、悪性非上皮性腫瘍は肉腫を意味している。良性上皮性腫瘍には通常、乳頭腫、腺(せん)腫、嚢腫が含まれているが、嚢腫は腺腫の亜型であって、分泌物の貯留(ちょりゅう)によって腺管が拡張してふくろ状になったものの総称である。嚢腫の内面を覆っている細胞は本来、腺腫の上皮細胞で、立方状、円柱状、線毛状などであるが、腔(くう)の拡大と貯留液の圧迫によって一般に扁平(へんぺい)化するが、逆に増殖、ことに乳頭状に増殖して認められることもある。嚢腫は、ふくろ状に拡大した腔の数によって単胞性嚢腫と多胞性嚢腫に、貯留している液の性状によって漿液(しょうえき)性嚢腫、類膠質(こうしつ)(コロイド)嚢腫、偽粘液嚢腫などに分類されている。嚢腫は卵巣にもっとも好発するもので、種々の大きさを呈し、ときには腹腔を充満するような巨大なものもある。
[渡辺 裕]
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