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肉腫 にくしゅsarcoma

翻訳|sarcoma

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

肉腫
にくしゅ
sarcoma

非上皮性組織から発生する悪性腫瘍の総称。すなわち,非上皮性の器官である心臓,脾臓,血管,骨髄,骨,筋肉,脳などに発生するものをいう。上皮性組織から発生する悪性腫瘍癌腫といって肉腫とは区別される。肉腫の発生は一般に若い人に多く,癌腫の発生は中高年者に多い。また,成長度の速いことと,周囲組織の破壊性では,癌腫以上の悪性度を示すものがある。肉腫の転移は主として血行によって行われ,リンパを介して行われることはまれで,この点も癌腫と異なる。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

肉腫

骨や軟部組織(脂肪、筋肉、神経など)などにできる希少がんのひとつ。国立がん研究センターによると、患者は若年から高齢までと幅広く、全身のいろいろな部位・組織で生じる。軟部肉腫の場合、国内の発生率は年間10万人に2人程度で、がんのできる部位に応じて30種類以上にも分けられる。

(2015-07-29 朝日新聞 朝刊 東特集C)

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百科事典マイペディアの解説

肉腫【にくしゅ】

悪性腫瘍(しゅよう)のうち,非上皮性のものの総称。繊維,血管,骨,軟骨,筋肉,造血組織などから発生し,急速に発育して周囲に浸潤したり,早期に血行性転移を示すことが多い。
→関連項目ウイルムス腫瘍腫瘍制癌薬放射線治療吉田肉腫卵巣腫瘍

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

肉腫
にくしゅ

(がん)(癌腫)とともに悪性腫瘍(しゅよう)の代表である。名称のごとく、一般に肉塊のような外観を呈し、比較的軟らかいのが常である。組織学的にみると、肉腫は非上皮性要素の肉腫実質が、同じく非上皮性である間質の結合織と密に入り混じって認められ、上皮性腫瘍に属する癌にみられるような実質と間質との明瞭(めいりょう)な区別、つまり蜂巣(ほうそう)状(胞巣状)構造を示さないのが特徴である。また肉腫は癌に比べて、若年者に好発し、かつ血行性転移をおこしやすいなどの差異が指摘されている。
 肉腫を分類的にみると、まったく未分化でいずれの非上皮性組織にも類似していない組織像を示す未分化肉腫あるいは単純肉腫と、線維組織や脂肪組織などの一定の非上皮性組織に類似した組織構造を呈する群とに分けられる。後者の群に、線維肉腫、脂肪肉腫、筋肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫(骨形成性肉腫)、管肉腫などが含まれる。筋肉腫には平滑筋肉腫と横紋筋肉腫とがあり、管肉腫には血管肉腫とリンパ管肉腫とがある。[渡辺 裕]

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世界大百科事典内の肉腫の言及

【癌】より

…これに対し,筋肉,骨,血管,脂肪,繊維等は非上皮性組織である。上皮細胞由来の悪性腫瘍を癌腫carcinoma,非上皮細胞由来の悪性腫瘍を肉腫sarcomaと呼ぶ。神経系腫瘍や生殖細胞系腫瘍,また多胚葉性である奇形腫は,とくに癌腫,肉腫といわない。…

※「肉腫」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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