飯ノ瀬戸郷(読み)いのせどごう

日本歴史地名大系 「飯ノ瀬戸郷」の解説

飯ノ瀬戸郷
いのせどごう

[現在地名]上五島町飯ノ瀬戸郷

はまうら村の南西に位置する。飯ノ瀬戸を挟んで中通なかどおり島と対する。小手浦こてうら焼崎やきざき青木あおきの集落があり、深い入江に恵まれる。西にくし島が浮ぶ。正平二年(一三四七、正平九年とも)の近藤定秀書状写(五島堺目旧記)に「いゝのせと」とみえ、平戸松浦氏の一円領のうちで、塩竈が置かれていた。地内の小手浦は倭寇の拠点であったとされるが、天文年間(一五三二―五五)には平戸松浦氏と通じた王直が小手浦の沿岸に迷宮式山城を築城していたという。その石塁・空堀の跡とともに寺屋敷跡・墳墓が残るほか、船隠ふなかくし呼出よびだしなどの地名がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android