朝日日本歴史人物事典 「飯尾之種」の解説
飯尾之種
室町幕府の法曹官僚。為種の次男。京都に出生。宝徳2(1450)年の奉書に署判がみえ,幕府右筆方の奉行に就任したと推定される。父為種が兼務していた八幡,南都,関東,山門,北野の5別奉行を相続し,これら寺社や機関の裁判を担当,さらに相国寺以下21カ寺の奉行を兼ね,椀飯方,的方,御出奉行も兼帯,一時は政所執事代,神宮開闔,侍所開闔と主要諸機関の奉行を独占し,応仁の乱前後に絶大な権勢を振るう。文正1(1466)年11月に失脚して所帯を没収されるが,程なく復活。文明5(1473)年以降奉書から消えるので,そのころ病没したものと思われる。
(今谷明)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報