飯淵村(読み)はぶちむら

日本歴史地名大系 「飯淵村」の解説

飯淵村
はぶちむら

[現在地名]大井川町飯淵

中島なかじま村の南東に位置し、大井川河口左岸に立地する。南東は駿河湾に面する。中世吉永よしなが郷に属していたと考えられる。永禄一二年(一五六九)正月一八日の臨済寺領・天沢寺領等書立土代(臨済寺文書)に飯淵長徳ちようとく寺が臨済りんざい(現静岡市)末寺としてみえる。同年一〇月四日の知行書立写(松平乗承所蔵古文書)には松平真乗に渡される知行分のうち溝代一貫七八五文の内訳として飯淵の五三五文がみえる。天正一七年(一五八九)三月二日、徳川家康の家臣芝田康忠が飯淵村の検地を実施している(「飯淵村本田検地帳写」明治大学刑事博物館蔵)


飯淵村
いいぶちむら

[現在地名]岩瀬町飯淵

いずみ川左岸、岩瀬盆地の北西部に位置し、南は久原くばら村。江戸時代は笠間藩領で「寛文朱印留」に村名が載る。飯淵村差出帳(仁平家所蔵)によれば、慶安三年(一六五〇)の検地で村高二一七・三三二石となり、万治三年(一六六〇)と延宝五年(一六七七)の新開検地で合せて七石余を打出す。「茨城郡村々様子大概」(笠間稲荷神社蔵)によれば、村には村山一、秣場一、四壁山九、用水の小堰六がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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