日本大百科全書(ニッポニカ) 「飲料水に関する罪」の意味・わかりやすい解説
飲料水に関する罪
いんりょうすいにかんするつみ
人の飲料に供する浄水、それを供給するための水道や水源を汚染したり、毒物を混入する罪(刑法142条~147条)。現行法上、本罪には、浄水や水道を汚物、ごみなどを投入して飲用不能にする汚染罪と、浄水や水道に健康にとって有害な物質を混入させる毒物混入罪とがある。これらの罪を犯し、人を死傷させた場合には重く処罰される。また、水道を損壊、閉塞(へいそく)した場合にも水道損壊罪として処罰される。なお、企業による事業活動に伴って人の健康を害する物質を排出し、公衆の生命や身体を害する危険性を生じさせた場合には、「人の健康に係る公害犯罪の処罰に関する法律(公害犯罪処罰法)」(昭和45年法律第142号)により処罰される。
[名和鐵郎]
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