水俣(みなまた)病など犯罪的ともいわれた公害事件に、従来の刑法が十分に働かなかったことから、新たに、事業活動に伴って人の健康に影響を与える公害を生じさせる行為などを処罰することにより、人の健康に係る公害の防止に資することを目的として1970年に制定された法律。正しくは「人の健康に係る公害犯罪の処罰に関する法律」という。昭和45年法律第142号。同法は、故意犯については3年以下の懲役または300万円以下の罰金(人を死傷させた場合には7年以下の懲役または500万円以下の罰金)、過失犯には2年以下の懲役あるいは禁錮または200万円以下の罰金(人を死傷させた場合には5年以下の懲役あるいは禁錮または300万円以下の罰金)を規定し、このほか、法人または法人の代表者等の両方を罰するものとする両罰規定および因果関係の推定規定を置いている。
[淡路剛久]
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