日本歴史地名大系 「館城跡」の解説 館城跡たてじようあと 北海道:檜山支庁厚沢部町館村館城跡[現在地名]檜山郡厚沢部町字城丘明治初年に築城された松前藩の城。国指定史跡。厚沢部川の中流域南岸にあり、西を同川支流糠野(ぬかの)川が画する標高四八―六〇メートルの台地上に立地する。糠野川沖積地との比高差二四メートル。慶応四年(一八六八)八月、松前藩の勤皇派正義隊はクーデタで実権を握ると藩政改革に着手した。松前は城地に不適として近世を通じて幾度か城の移転が検討されていたが、安政元年(一八五四)の東蝦夷地上知以降漁業収入が減少し、その減収対策に厚沢部川流域の農業開発が検討されていたことに加え、クーデタに伴う人心一新、戊辰戦争の東北地方からの戦線北上に対する危機感などが重なり、急遽築城が決定された。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報