厚沢部川(読み)あつさぶがわ

日本歴史地名大系 「厚沢部川」の解説

厚沢部川
あつさぶがわ

厚沢部町を流れ、江差町で日本海に注ぐ二級河川。流路延長四三・五キロ、流域面積四九一・七平方キロ。厚沢部町の東部山地に源を発するにごり川・湯ノ沢ゆのさわ川・佐助沢さすけざわ川などが富里とみさと地区の東部で合流して厚沢部川となり、泉沢いずみざわ川・焼木尻沢やきじりざわ川・糠野ぬかの川・幌内ほろない川・古佐内こさない川・うずら川・安野呂あんのろ川・目名めな川・うぐい川などを合せて日本海に注ぐ。近世の文献でも厚沢部川と記されることが多いが、本流は流域地名を付け目名川・土橋つちはし(「蝦夷日誌」二編)たて(明治二〇年代の輯製二十万分一図)などともよばれた。厚沢部はアイヌ語「ハチヤム」で「紅粉ひわといふ小鳥に似たる鳥の事にて、此沢内に夥敷ある故、此名ありといふ」(地名考并里程記)

延宝六年(一六七八)松前藩によるアッサブ山中の檜伐採が始まり、材木は厚沢部川の本流・支流を利用して川下げされ、土場どば(現江差町)河口から江差・松前などに運ばれた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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