香嚢(読み)コウノウ

デジタル大辞泉 「香嚢」の意味・読み・例文・類語

こう‐のう〔カウナウ〕【香×嚢】

金属製の球で、中に香を入れ、ひもにかぎをつけて室内牛車ぎっしゃなどにつるすもの。こうぶくろ。
香を入れる袋。金襴きんらんで作り、懐に入れた。においぶくろ。こうぶくろ。

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精選版 日本国語大辞典 「香嚢」の意味・読み・例文・類語

こう‐のうカウナウ【香嚢】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 銀などで毬(まり)形につくり、中に香を入れ、ひもの先端に鈎(かぎ)を付けて、蚊帳(かや)や室内、牛車などにつるすもの。こうぶくろ。
    1. 香嚢<b>①</b>〈類聚雑要抄〉
      香嚢類聚雑要抄
    2. [初出の実例]「自余十五車、簷懸香嚢」(出典御堂関白記‐長和元年(1012)閏一〇月二七日)
    3. [その他の文献]〔古詩‐為蕉仲卿妻作〕
  3. 香を入れる袋。金襴(きんらん)を用い、男は紫、女は赤の組ひもをつかい、薫衣香(くのえこう)として懐に入れた。においぶくろ。こうぶくろ。花袋(はなぶくろ)

こう‐ぶくろカウ‥【香嚢・香袋】

  1. 〘 名詞 〙
  2. こうのう(香嚢)
    1. [初出の実例]「香袋一流」(出典:類聚雑要抄(室町)四)
  3. こうのう(香嚢)
    1. [初出の実例]「香鉗(ばさみ)香袋。香褁(つつみ)」(出典:尺素往来(1439‐64))

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