馴合(読み)なれあう

精選版 日本国語大辞典 「馴合」の意味・読み・例文・類語

なれ‐あ・う ‥あふ【馴合】

〘自ワ五(ハ四)〙
① 馴れて親しむ。なじむ。なれむつぶ。
※モオツァルト(1946)〈小林秀雄〉「或る特定の観念なり感情なりと馴れ合って了ふから」
② 男女が情を通じ合う。密通する。野合する。
※談義本・艷道通鑑(1715)一「娘が事は天道にまかせ奉る。天の掟あらば国母とも、掟なくばいかなる山賤の子とも褻合(ナレアイ)かし」
③ 互いにしめし合わせて悪事をはかる。ぐるになる。
石山本願寺日記‐証如上人日記・天文八年(1539)八月六日「代官昱蔵主、百姓となれあひて候間、差替代官下之由候」
④ (②から転じて) しっくりする。よく調和する。
評判記・満散利久佐(1656)鷁首面体、なれあひて、よけれども、かほの地はだ、あらめ也」

なれ‐あい ‥あひ【馴合】

〘名〙
① 互いにしめし合わせて、事をたくらむこと。なれなれ。
人情本春色梅児誉美(1832‐33)初「鬼兵へが、先の番頭の松兵へとなれ合(アイ)で、直に戸を塞(さす)身上(しんせう)承知でおれを急養子
松風(1942)〈石塚友二〉「詰り、馴(ナレ)あひの結婚、そんな風に世間から見られる危険がないとも限らない、それでは気の毒だ」

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