駒衣廃寺
こまぎぬはいじ
大仏廃寺ともいわれる古代の寺院跡で、志戸川支流の小河川の開析によって形成された標高九五―一〇〇メートルの小さな支丘に位置している。廃寺名は、付近に近接している近世の駒衣村・大仏村に由来する。現状はほとんどが桑畑になっているが、布目瓦などの散布の状況から寺域は一二〇×一七〇メートルの長方形と考えられる。寺域内では基壇と推定される所が二ヵ所確認できる。採集された遺物は単弁一六葉蓮華文軒丸瓦・五重弧文軒平瓦・熨斗瓦、瓦塔の破片で、これらの瓦のなかには東京都国分寺市の武蔵国分寺跡から出土したものと同笵の軒丸瓦がある。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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