日本大百科全書(ニッポニカ) 「騒音証明」の意味・わかりやすい解説
騒音証明
そうおんしょうめい
航空機が国際民間航空機関(ICAO(イカオ))の騒音基準に適合することを認め、使用を許可した国の証明。航空機が離着陸時に発する騒音の増加による空港周辺の環境悪化を防ぐため、1972年ICAOにおいて航空機の騒音を規制する基準が定められた。日本でもICAOの基準に基づき、ターボジェットエンジンを装備した航空機について国の定めた騒音基準に適合するかしないかを検査し、これに適合しなければ航空機の使用を許可しないこととなった。検査を受けた航空機が騒音基準に適合する場合は、騒音基準適合証明が行われ、証明書が交付され、この騒音基準適合証明のことを一般に騒音証明といった。しかし、1996年(平成8)の航空法の改正により、騒音証明は耐空証明に組み込まれ、騒音基準は耐空証明の基準に統合され一元的に証明が行われることとなった。また、耐空証明のなかの騒音規制対象は、ターボジェットエンジンに限定されず、小型機を含むプロペラ機および回転翼航空機(ヘリコプター)にまで広がった。
[青木享起・仲村宸一郎]