ターボジェットエンジン(その他表記)turbojet engine

翻訳|turbojet engine

デジタル大辞泉 「ターボジェットエンジン」の意味・読み・例文・類語

ターボジェット‐エンジン(turbojet engine)

ジェットエンジンの一。ガスタービン排気ガスを利用し、燃焼ガスをジェットノズルから噴出させて、その反動推進力を得る。噴流速度が大きく、高音速から超音速航空機に適する。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ターボジェットエンジン」の意味・読み・例文・類語

ターボジェット‐エンジン

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] turbojet engine ) ジェットエンジン一種。ガスタービンの排気ガスを利用し、燃焼ガスをジェットノズルから噴出させて、その反動で推進力を得る。噴流速度が大きく、高音速から超音速の航空機に適する。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ターボジェットエンジン」の意味・わかりやすい解説

ターボジェット・エンジン
turbojet engine

航空機に用いるガスタービン・エンジンの一種。ガスタービン空気を圧縮して取り入れ,そのなか燃料を燃焼させて生じた高温高圧ガスを出力として取り出す。ターボジェット・エンジンは,このガスの噴流を大量,高速に後方へ噴射し,その反動としての推力を利用する。イギリスのフランク・ホイットルによって 1930年代に発明され,1937年運転に成功した。これを装備したグロスター E28/39は 1941年5月 15日初飛行した。これに先立つ 1939年8月 27日,史上初のジェット機ハインケル He178戦闘機がドイツで飛行した。しかし実用化はされず,1942年7月 18日に飛行したメッサーシュミット Me262が世界最初の実用ジェット機となった。こうして第2次世界大戦中に開発が進んだターボジェット・エンジンは,戦後は民間機にも応用され,1952年イギリスの BOACデハビランド・コメット旅客機を就航させてジェット時代に入った。その後,ターボジェット・エンジンはターボファン・エンジンターボプロップ・エンジンターボシャフト・エンジンなどへ発展する。なお,ターボジェット・エンジンの燃焼ガスには過剰酸素が含まれているので,そのなかにもう一度燃料を吹き込むと再び燃焼が起こり,推力を増加することができる。これをアフタバーナと呼び,超音速ジェット機の多くはアフタバーナ付きターボジェット・エンジンを使用している。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア 「ターボジェットエンジン」の意味・わかりやすい解説

ターボジェットエンジン

航空用ガスタービン,いわゆるジェットエンジンの一形式。吸入した空気を圧縮機(軸流形または遠心形)で圧縮し燃焼室に導いて燃料を噴射し,高温高圧の燃焼ガスを圧縮機駆動用タービン内で膨張させてタービンを回転させたのち,ジェットノズルから噴出させて推力を得る。後部にアフターバーナーを設けて推力の増大を図っているものもある。超音速飛行での推進効率にすぐれている。
→関連項目ガスタービンガソリンエンジンジェットエンジンターボプロップエンジン

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ターボジェットエンジン」の意味・わかりやすい解説

ターボジェットエンジン
たーぼじぇっとえんじん
turbojet engine

航空機用タービンエンジンの一種。エンジンでつくりだした高温・高圧のガスのエネルギーを、100%ジェットのエネルギーとして取り出し、その反動を利用して推進力を得るエンジン。初期のジェットエンジンのほとんどはこの形式であった。構造が簡単で重量を軽くできるほか、高速度の排気ガスの反動を利用しているため超音速の飛行に適するが、遷音速以下の飛行では推進効率が悪く、排気騒音が大きいうえ、燃料消費率がよくないという欠点があり、現在ではほとんどが軍用機や使い捨てのエンジン(誘導ミサイル用)、垂直離着陸機の垂直飛行用の補助エンジンとして用いられる。

[落合一夫]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のターボジェットエンジンの言及

【飛行機】より

… しかし,ちょうど大戦中で各国とも実用機の改良,生産に追われていたので,ジェット機の実用化はおくれ,大戦末期の44年ころになって,ドイツのメッサーシュミットMe262,イギリスのグロスター・ミーティアなどが戦線に現れた。これらは最大速度850~900km/hと断然プロペラ機をしのいだが,初期のターボジェットエンジンは燃費がきわめて悪かったため航続時間が短く,空軍で主力の座を占めるまでには至らなかった。 それにしても,プロペラ機の性能が限界に近づいたとき,タイミングよくジェット機が出現し,このため飛行機の性能が,図1の変遷図でもわかるとおり,停迷期を迎えることなくどんどん発展していったことは,まことに興味深い。…

※「ターボジェットエンジン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android