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航空交通管制 こうくうこうつうかんせいair traffic control; ATC

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

航空交通管制
こうくうこうつうかんせい
air traffic control; ATC

飛行の安全を確保するために行なう交通管制およびその業務。目的の第1は,航空機相互の衝突防止,第2は,山など地形上の障害および気象上の障害からの回避,第3は,飛行場における離着陸,または飛行場とその周辺の空域における航空機と障害物との衝突防止にある。実際の仕事は,航空路管制,進入管制,ターミナル・レーダ管制,着陸誘導管制および飛行場管制に分けられる。航空路管制は,計器飛行規程に従って飛ぶ航空機に対し,定められた航空路上を他の航空機との間の高度および前後左右に一定の間隔を保って飛行するよう指示し,随時必要な情報と指導を行なうもので,日本では,本土および近海の空域を三分し,札幌,東京および福岡に管制所を置いている。進入管制は,計器飛行方式に従って飛行場に到着,または離陸する航空機に対して,離着陸の許可および必要な援助を与えるもので,これをレーダで行なうのがターミナル・レーダ管制である。着陸誘導管制もレーダで着陸誘導を行なう。また飛行場管制は,飛行場における航空機の地上滑走経路や離着陸の順序などを指示する業務を行なうものである。

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知恵蔵の解説

航空交通管制

航空交通の交通整理システム。世界の空をいくつかの航空交通管制区に分割し、飛行予定の航空機は、その管制区の航空管制センターにあらかじめ飛行計画を提出して承認を受け、管制官の指示に従って計器飛行方式で飛行する。管制センターは常時、監視レーダーで空域内の航空機を監視し、電波で誘導する。飛行場周辺には管制圏が設定され、離着陸する航空機は管制塔(コントロール・タワー)からの指示に従い行動する。地上からの監視レーダーの電波に、自動的に応答信号を送る装置がATCトランスポンダー(2次レーダー)。管制塔と管制センターとの情報は常時、連携している。

(鳥養鶴雄 元日本航空機開発協会常務理事 技術士(航空機部門) / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

デジタル大辞泉の解説

こうくう‐こうつうかんせい〔カウクウカウツウクワンセイ〕【航空交通管制】

航空機の安全・確実かつ効率的な運航を達成するために管理・指導すること。航空管制塔から離着陸の許可や航路・高度の指示などを行う。航空管制。ATC

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百科事典マイペディアの解説

航空交通管制【こうくうこうつうかんせい】

ATC(air traffic controlの略)とも。航空機の衝突防止や,航空交通を規則的に能率よく運営し,安全で効果的な運航を維持するための業務。第2次大戦中の航空機,航行援助施設の発達で全天候運航が可能となり,航空交通量の急激な増加とともに各国で広く実施,国際民間航空機関(ICAO(イカオ))が世界共通の管制方式を定めている。 ICAOの各加盟国が,航空交通業務を行う責任の範囲を飛行情報区といい,航空交通管制はこの飛行情報区の中で管制区または管制圏に指定された空域(管制空域)と飛行場において行われる。管制圏は管制が行われる飛行場の周辺に設けられ,管制圏に接続する空域の周辺は進入管制区となっている。さらに管制圏や管制区のうち交通量が特に多い空域などには特別管制区が指定され,この空域での飛行は計器飛行方式に限られる。なお日本の場合,高度2万4000フィート以上は全面管制区となっている。 現在の航空交通管制業務は,空域の区分や管制方式によって,1.飛行情報区内を飛行するすべての計器飛行方式の航空機に対して行われる航空路管制,2.空港での滑走や離着陸の順序などを指示するための飛行場管制,3.主として進入管制区内を計器飛行方式で飛行する航空機に対して,進入・出発の順序を指定したり上昇・降下の指示などを行う進入管制業務,4.進入管制業務をレーダーを用いて行うターミナルレーダー管制,5.着陸する航空機に対して精測進入レーダーを用いて継続的に接地点までの誘導を行う着陸誘導管制に分類される。 計器飛行する航空機は,その種類,記号,出発地,経路,目的地,高度,巡航速度,燃料の量,天候不良の際の代替飛行場,通信設備などを記入した飛行計画を提出,センターは航空路上の交通状況を勘案して飛行許可を与え,出発時刻,高度,経路,上昇下降の方法など,細目の指示をする。これに忠実に飛行すれば必要な間隔が維持され,衝突等の危険を避けうる。航空機などに対する飛行に必要な情報の伝達や,航空機が救難を必要とする場合の援助なども航空交通管制の業務である。
→関連項目ATC管制塔空港航空航空路レーダー管制

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世界大百科事典 第2版の解説

こうくうこうつうかんせい【航空交通管制 air traffic control】

ATCとも略称される。航空交通の安全と秩序を図るため,航空機の離着陸の順序・時期,飛行経路などを指示し,気象状況,地上の状態など航空機の運航に必要な情報を提供する業務をいう。飛行情報区の中で管制区または管制圏に指定された空域(管制空域)および飛行場において行われる。航空交通管制の具体的な目的は,航空機相互の衝突予防,空港内および航行空域における航空機と障害物の衝突予防,航空交通の促進と秩序ある流れの維持にある。

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大辞林 第三版の解説

こうくうこうつうかんせい【航空交通管制】

航空機が安全かつ円滑に運航できるよう、各機に飛行経路や高度を指示して、空の交通整理をする業務。 ATC 。

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