骨髄繊維症(読み)こつずいせんいしょう(その他表記)myelofibrosis

改訂新版 世界大百科事典 「骨髄繊維症」の意味・わかりやすい解説

骨髄繊(線)維症 (こつずいせんいしょう)
myelofibrosis

骨髄の繊維化,肝臓脾臓での造血作用,幼若顆粒球や赤芽球の末梢血管への出現を特徴とする原因不明の疾患。平均生存期間は慢性骨髄性白血病と大差なく,初診後1~5年であるが,10年以上の長期生存をみることもある。初診時の症状は,貧血(正球性,正色素性)と脾腫で,白血球は軽度に増加する。白血球像はいわゆる白赤芽球症leukoerythroblastosisを呈し,赤血球血小板の形態変化も著しい。骨髄は繊維化して,骨髄穿刺せんし)を行っても穿刺液は得られないことが多い。生検によって組織学的に診断される。放射性同位元素59Feを用いた体表計測では,脾臓の表面に著しい放射能の蓄積と早期減衰が特徴的で,脾臓での骨髄化生がみられる。血清LDHは著しく増加する。治療としてはブスルファンが部分的に有効である。
白血病
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