…舞台芸術も含む広い視野に立って文芸の根本的あり方を深く洞察したこれらの散文作品(著者自身は〈批評詩〉と名づけた)は,現代フランス文学の直接の先駆として,ここに提起された問題の全体像が今ようやくその姿を明らかにしようとしている。また最晩年の大作《骰子一擲(さいいつてき)Un coup de dès jamais n’abolira le hasard》(1897)は特殊な組版,7種類の活字を使って詩化された内面の波動をそのまま視覚的に紙面に定着した空前の試みであり,ここに詩編は〈書物〉という肉体を得て宇宙的な相貌をとるにいたった。生涯の夢であった〈究極の歌(オード)〉は当然にも未完に終わったとはいえ,彼の言説は晩年彼の周囲に結集したバレリー,クローデル,ジッドら〈火曜会〉の若いメンバーに深甚な衝撃を与えて,20世紀前半の文学をそれぞれに代表する優れた応答を引き出すとともに,第2次世界大戦後は戦中に始まる本格的なマラルメ研究の成果が人類滅亡の危機意識に裏打ちされて,文学を根源的に問い直すサルトルら知的選良によって作家各自ののっぴきならぬ問題として深化されつつある。…
※「骰子一擲」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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